まずは、多嚢胞性卵巣について!

多嚢胞性卵巣症候群の不妊治療

多嚢胞性卵巣とは、卵巣の中で卵子が順調に成長するけれど、卵巣の皮膜が固いなどが原因で、卵子を排卵できない状態です。また、卵子を排卵できない状態が続くと、卵巣が膨れてきて、倍近くの大きさになる場合があります。

この状態の多嚢胞性卵巣を超音波などで観察すると、卵巣の表面に、直径5~10ミリほどの大きくなった嚢胞が見えます。その見た目が真珠のネックレスのように見えるので、ネックレスサインとも呼ばれています。

多嚢胞性卵巣症候群の原因や症状について

● 無排卵による症状

多嚢胞性卵巣とは、卵巣の皮膜が固いために、卵子が順調に排卵されにくい状態です。そのため、その症状としては、排卵が出来ない・排卵しにくい事による月経不順や、全く排卵されない無月経などの症状が出ます。

● 男性ホルモンの影響

卵胞ではテストステロンという男性ホルモンが作られています。そのため、体内の男性ホルモンの量が増加すると、声が低くなる、乳房が小さくなる、筋肉量が増えるなどの男性化と呼ばれる症状がでてきます。

多嚢胞性卵巣症候群の検査と不妊治療

多嚢胞性卵巣を診断する検査には、超音波検査によって卵巣を観察したり、ホルモン検査で診断する方法が主流です。また、腹腔鏡下手術で卵巣の一部を取り出し、その卵巣を顕微鏡で調べる検査もあります。

ただ、多嚢胞性卵巣症候群の根本的な治療法は分かっていません。そのため、妊娠を望む場合には、排卵誘発剤などで卵胞の発育や排卵を促す治療を行います。

● 薬による排卵誘発

初めはクロミッドなどの弱い薬で様子を見ます。それでも効果がない場合は、徐々に強い薬に変えていきます。ただ、排卵誘発剤を使用すると、卵巣過剰刺激症候群という症状も起きやすくなるので、お医者様の指示をしっかり守りましょう。

● その他の排卵誘発

腹腔鏡下手術などで、硬くなった卵巣の表面に小さな穴をあけて排卵を促すという治療法もあります。